コンセプト


コンセプト

MIRAKOYAの目指す世界
自然と家との,生きる営みに密接した環境の中で,
人と人とが繋がり,ともに育ち合う世界。
そこには,
自分の素材そのものを生かし,「好き」を探求し
力強く生きる子どもたち・大人たちの姿がある。

(1) 人と自然に愛着心をもつ

「人は人の中で育つ」
人が何かにチャレンジするとき,根拠のない自信が大きな支えとなります。根拠のない自信を育てるものは,一番は母親の愛。また,家族や身近な人の愛です。それによって,「自分は愛されている。自分はそのままで価値がある。」という感覚が染み込み,内側から源泉のようにあふれ出る自信が生まれるという考えを尊重しています。特に0歳~7歳の時期,発達心理学の側面から見ても,このことは重要なポイントです。
長い人生を見据えたとき,何かを成し遂げることも素晴らしいですが,人とかかわり,ぬくもりを感じて生きること,これは幸せに結びつくものと捉えています。自分の足で立ちながらも,人とともに生きることに喜びを感じ,「自分は大丈夫。」という根拠のない自信を胸に,自ら可能性を伸ばしていく。MIRAKOYAは,そんな子どもの背中を押す場所であり,子どもを育てる大人の成長も目指します。

「多様であることが当たり前」
全ての人は,進化成長するために生まれてきた,同じ人間であるという視点に立ちます。MIRAKOYAは,年齢・発達の進度など,「100人100通りである」という多様性が当たり前に存在する場であるという前提に立ち,そのような価値観を大切にします。

「自然とともに生きる」
 人は地球に生まれたもの,という大きなくくりをすれば,自然もまた人と同じ。目に見えない空気は自然がつくり,我々が毎日口にする食べ物もまた自然がつくる。人が呼吸をするのと同じように,自然も日々呼吸をする。自然の中で人が育ち生きていく営みは,これからもずっと続いていくものです。環境問題が年々深刻になる中で,自然のありがたさを感じ,共にあることが当たり前という感覚,人と同様に愛着心をもち親しんでいく姿勢を,体験を通して学びます。

(2) 自分の足で立つ

 人間は生まれながらにして意思をもっているという考え方があります。わたしはその考えに賛同します。お腹の中でお母さんのお腹を蹴りながら「早く出して」と伝えていた子どもの話を直接聞いたことがあり,わたし自身も3歳以降の頃の記憶として,大人と同じ視点で物事を捉えていた記憶があるからです。だから,何歳であっても一人の人間としてかかわりたい。そこには早い遅いはないと考えています。 

 「まだ○歳だから」ではなく,わからなくても伝えるべきことは,はっきり目を見て伝える。それは,親子関係も同じだと思っています。子どもが自分の足で立って歩けるように,子どもが「どこにいても,だれといても自分自身でいられる」といった生きる力を育てたい。しかし,人生何が起こるか分からないからこそ,答えがないからこそ心細いこともあります。手探りの子育てを一人でするのではなく,みんなでできる場所であり,力強く生きる子どもを育てる場所であることを目指します。  

(3) 自分の「好き」を知る

 得意が不得意かは,人と比べて何となく感じます。ですが,「好き」は自分で決めるもの。
  教員時代,「好きなことは何?」と聞くと,「好きだけど,上手くないから・・・」と,ノートに書きたがらない子。「好きっていっても,まぁまぁ好きだけど・・・」と,自分の好きが分からない子。そういった子がとても多かったです。自分が楽しいと思えば好きでいいのに,それすら自分に許可を出せない。子どもたちの心を縛り付けるものは何だろうと探っていくと,たどり着いたのは,
  ・人と比較して自分を低く見る。
  ・そもそも自分に価値を感じない。
 といった子どもたちの「自分を諦めた心」でした。
好きならそれが自分の好きなこと。好きだから上手くなる,得意になる。堂々と,自分の好きを表現できることが大切であると考えています。
   また,「好き」と言えるものが見つかるほど,様々な経験ができていないという原因も考えられます。家の近くにある田んぼ,畑,あぜ道,山,川など,好奇心をくすぐる自然の宝庫を生かし,遊びに根差した経験をすることが「好き」を見つけるきっかけになるかもしれません。さらに,「火を起こす」「食べ物を育てる」「自然のものから生活に使うものをつくる」「洗濯物が早く乾くように太陽の動きを把握する」など,今挙げたものはほんの一部ですが,そういった生活経験の中から生まれる「なぜ?」や,「楽しいな」という感覚,「もっと○○したい」という意欲を,「好き」につなげていくために,きっかけになる機会つくりたいと考えています。

(4) 「好き」を探求する

 「好き」が分かれば子どもは,「もっと○○できるようになりたい。」「今度はこんなのが作りたい。」「もっと詳しく知りたい。」と探求心の芽が出てきます。その声を大人が拾い,そこから学びに繋げていくことで,子どもは興味関心をもち続けたまま探求することができます。「勉強することが楽しい」というのは,まさにその感覚だと考えます。

 「好き」は多様にあります。「料理」「工作」など何か対象のものが好きという感覚もあれば,「小さい子のお世話をするのが好き」「話を聞くのが好き」という感覚もあります。全て自分を知るカギになります。様々な体験ができる場を提供できるような,土台作りを考えています。

(5) 探求から「切り開く」へ

  自分の「好き」は人に伝えられる。誰かの役に立つことができる。仕事にすることができる。好きなことを仕事にしている人は,とても生き生きしています。毎日が好きなことの連続,ワクワクしませんか?しかし「自分の好きなことでお金を稼ぐなんて無理」と思っている人も多くいます。初めから無理と決めずに,自分の希望を叶える生き方を大切にして欲しいと願っています。

 MIRAKOYAでは,好きを探求し,それを発信する・繋がる・広げる・発展させるといった過程を,子どもたちの希望に沿ってサポートします。経験することで視野は大きく広がります。

  好きなことの探求とともに,次のような素地を育てていきます。

 ◎ 主体性をもち,可能性を信じ,自分の足で立って力強く生きていく力。

 ◎ 人への愛着心・繋がり感をもち,根拠のない自信に満ちた子。

 ◎ 上手くなくても,学んだことをアウトプットできる力。

 ◎ 情報を受け取る聞き手の力。

 ◎ 自分の素材そのものを生かし,表現する力。

 ◎ 多様を受け入れ,繋がる力。